哲学するためにどうして他人の話を聞くのか?──スマホ時代の哲学史入門
NHK出版新書から、『哲学史入門』という3巻本のシリーズが刊行されました。研究者へのインタビューを通して哲学の歴史を知るという、かつてないシリーズで、千葉雅也、國分功一郎、納富信留、山内志朗、飯田隆など、日本を代表する哲学者から、カフェで話を聞くようにして哲学に触れることができます。
『哲学史入門』シリーズを手がけたのは、斎藤哲也さん。本書では、長らく人文ライターとして活躍している斎藤さんのインタビューと構成の手腕が発揮されており、質問や切り返しには、読んでいて「おっ」と声が出てしまうほど巧みなものも多数あります。
今回のイベントでは、長年の経験と知識に裏打ちされたインタビューや対話の秘訣についてうかがうと同時に、そのスキルが「哲学する」という営みとどうつながるのかについて探究していきたいと思います。
『鶴見俊輔の言葉と倫理』などの専門書だけでなく、『スマホ時代の哲学』『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』などの一般書も手がけている若き哲学者、谷川嘉浩さんが聞き手を務めます。いまこの時代で哲学をどう語るのか、それをどう学ぶのかということを問い続ける哲学者は、『哲学史入門』や斎藤さんの活動をどう読み解くのでしょうか。
斎藤哲也さんの編集やインタビューの経験や秘訣はもちろん、そうした対話と聞き書きの技術が、「歴史を学ぶこと」や「哲学すること」にとってどういう意味があるのかを、週末の夜に考えてみたいと思います。
【登壇者プロフィール】
斎藤哲也(さいとう・てつや)
1971年生まれ。人文ライター。著書に『試験に出る哲学』シリーズ(NHK出版新書)、『ちくま現代文記述トレーニング』『読解 評論文キーワード』(筑摩書房)など。編集・構成を手がけた本に『哲学用語図鑑』(田中正人・プレジデント社)、『ものがわかるということ』(養老孟司・祥伝社)、『奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業』(著:荻野弘之、漫画:かおり&ゆかり)、『おとなの教養』(池上彰・NHK出版新書)など。
谷川 嘉浩(たにがわ・よしひろ)
哲学者。1990年。京都市立芸術大学美術学部デザイン科講師。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。著書に、『スマホ時代の哲学:失われた孤独をめぐる冒険』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『鶴見俊輔の言葉と倫理:想像力、大衆文化、プラグマティズム』(人文書院)、『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』(筑摩書房)、『信仰と想像力の哲学:ジョン・デューイとアメリカ哲学の系譜』(勁草書房)、『ネガティヴ・ケイパビリティで生きる』(さくら舎)など。翻訳に、マーティン・ハマーズリー『質的社会調査のジレンマ』(勁草書房)など。
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