感性と偏愛を手放さずに、大人になる方法
エッセイストの塩谷舞さんの3年ぶりの新著『小さな声の向こうに』の刊行、『ここじゃない世界に行きたかった』の文庫化、そして、哲学者の谷川嘉浩さんの新著『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』の出版を記念して、トークイベントを開催します。
『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』は、キャリアデザインやライフプランの、将来像から逆算する設計主義を窮屈に感じる人に向けて書かれた本で、自分の「感性」を再起動し、「偏愛」を実験的に言語化することの重要性が語られています。
他方、『小さな声の向こうに』の中で、迷いや葛藤を傍らに置きながら、日本の暮らしやささやかな芸術などの「自分の好きなもの」について書いている塩谷さんは、まさにその箇所に感銘を受けたといいます。「小さな声」を聴く感性を抑制された筆致で評価する塩谷さんは、偏愛と衝動をめぐる哲学をどう読み解いたのでしょうか。
どうすれば自己理解を深め、成熟することができるのか。言葉を選び書くことは、その営みとどうつながっているのか。感性と偏愛をキーワードに、語り合っていただきます。
【登壇者プロフィール】
塩谷 舞(しおたに・まい)
文筆家。1988年大阪・千里生まれ。京都市立芸術大学卒業。大学時代にアートマガジン『SHAKE ART!』を創刊。会社員を経て、2015年より独立。2018年に渡米し、ニューヨークでの生活を経て2021年に帰国。文芸誌をはじめ各誌に寄稿、note定期購読マガジン『視点』にてエッセイを更新中。総フォロワー数15万人を超えるSNSでは、ライフスタイルから社会に対する問題提起まで、独自の視点が人気を博す。著書に『ここじゃない世界に行きたかった』、『小さな声の向こうに』(いずれも文藝春秋)。
谷川 嘉浩(たにがわ・よしひろ)
哲学者。1990年。京都市立芸術大学美術学部デザイン科講師。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。著書に、『スマホ時代の哲学:失われた孤独をめぐる冒険』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『鶴見俊輔の言葉と倫理:想像力、大衆文化、プラグマティズム』(人文書院)、『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』(筑摩書房)、『信仰と想像力の哲学:ジョン・デューイとアメリカ哲学の系譜』(勁草書房)、『ネガティヴ・ケイパビリティで生きる』(さくら舎)など。翻訳に、マーティン・ハマーズリー『質的社会調査のジレンマ』(勁草書房)など。
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